こんにちは「ぴよ」です。
今年から狩猟を始めようと思っている初心者ハンターの皆様。
ようこそ、奥深くて楽しい狩猟の世界へ。
私は「単独忍び猟」を主に行っており、だいたい12月下旬の木々から葉が落ち切る時期から本格的に山に入ってシカを狙っています。
狩猟中は獲物に気付かれないように汗が出ないくらいゆっくりと歩きますが、猟場に着くまでは荷物や銃を担いで山の斜面を歩くのでそれなりに汗は出ます。
冬に汗をかいたまま休憩すると急激に体温を奪われるので、山中での汗冷え対策はかなり重要になってきます。
山に向いていない間違った服装を選ぶと冗談抜きで危険です。
ということで単独忍び猟で私が意識している服装選びをまとめてみました。
ここでお話するのは標高2000m以下の「関東山地(秩父山地)の冬に行う単独忍び」をもとにしたことなので、他の地方での忍び猟や車での流し猟・巻き狩りとは合わない部分があると思いますので参考程度に読んでいただければと思います。
冬山で絶対にしてはいけない服装
冬の登山をしたことがない人がやってしまいがちな服装。
それは、肌着として保温性を保つインナーを着ること。
ユニクロのヒートテックが有名ですが、各メーカーからも同じような機能を持ったインナーが販売されています。
タウンユースではとても重宝するこの手のインナーですが、運動時にこれを着ると汗冷えを助長する可能性があるので避けた方が良いと言われています。
保温性インナーはレーヨンという繊維の特性を利用して温かさを感じるように作られていますが、この素材は吸水に優れているけれども乾きにくいという性質があるため、運動によりかいた汗を吸収してインナーは湿った状態となり、休憩中はその水分が急激に冷えて一気に体温を奪っていきます(=汗冷え)。
そのためこの手のインナーは多量に汗をかく活動には不向きとされています。
また、綿(コットン)素材の服も水分を吸収しやすく乾きにくいため激しい運動には適していないとされています。
山での行動時にはレーヨンや綿の素材の服を選ぶのは止めておいた方が良いでしょう。
反対に冬のキャンプなどのあまり動かない遊びにはレーヨン素材は保温性に優れているので有効だと思いますし、焚き火やバーベキューをするなら火の粉が飛ぶので、燃えにくいコットン素材をアウターに選ぶのが良いでしょう。
化学繊維の服は火の粉で簡単に穴が開きますからね。
なにごとも適材適所ということで。
登山では基本の「レイヤリング」という考え方を取り入れてみる
山登りをする人は意識している「レイヤリング」という概念。
汗冷えを防ぐという観点から生まれた考え方で、重ね着を基本として気温や体温などの状況に応じて服を着たり脱いだりして汗をコントロールすることです。
単独忍び猟も銃を持ってはいますが、やっていることは山登りと一緒。
それならば冬の単独忍びの服装にレイヤリングを取り入れたら行動中も快適になるのではないでしょうか。
レイヤリングはベースレイヤー+ミドルレイヤー+アウターレイヤーの3層構成が基本装備。
状況に応じて上着を脱いだり着たりして発汗をコントロールするわけですが、なるべくなら脱ぎ着を極力しないで体温調節をしたいわけです。
そのためには熱を逃がさない「保温性」も大事ですが、服の中の湿気を外に出す「透湿性」もかなり重要です。
常に快適性を保つよう考えて作られた登山用のウェアの導入が単独忍びにも有効だと考えています。
ベースレイヤー
肌の上に身につける3つのレイヤーの中で、一番下に着用するウェアが「ベースレイヤー」です。
言い換えると、肌着のことですね。
肌から水分を蒸発させることを目的としているため、吸湿速乾性に優れた素材を選びます。
冬期のベースレイヤーの素材として候補に挙がるのがメリノウールと化学繊維です。
メリノウールは吸湿性・保湿性に、化学繊維は速乾性・耐久性に優れているようです。
どの機能性を重視したいかで自分に合った素材を選ぶとよいでしょう。
また、メーカーによっては薄手・中厚手・厚手と種類も豊富なので、自分の体質や運動量などを考慮して選ぶと良いでしょう。
私は当日の気温によってモンベルのジオライン薄手or中厚手を選んで使っています。
ミドルレイヤー
山シャツや薄手のフリースなど、ベースレイヤーとアウターレイヤーの間に着る中間着がミドルレイヤーです。
ミッドレイヤーは、行動着と保温着(サーマルレイヤー)の2種類があります。
行動着は文字通り、行動時の汗調節が中心となります。
ベースレイヤーから移動した水分を吸水して乾燥させる役割があるので、速乾性と通気性が大切です。
速乾性のシャツや薄手のジャージなどがこれにあたるでしょうか。
保温着(サーマルレイヤー)はフリースやダウンジャケットなどになります。
温かい熱を外に逃がさない保温性のあるものを選びましょう。
どちらも着脱しやすいフロントジップタイプが脱着しやすくておすすめです。
ただし単独忍び猟の場合のウェアは休憩時間よりも行動時間の方が圧倒的に多いので、行動着を重視した方が良いと思います。
私はかなり前に購入したアディダスのジャージを使っています。
アウターレイヤー
アウターレイヤーは一番上に羽織るもので、雨や雪、風から体を守るウェアのことです。
ゴアテックスなどの、防水・撥水・防風・透湿機能のあるレインウェアや、雪山用のジャケットが当てはまります。
しかしながら、単独忍びの服装で登山のセオリーから一番外れるのがアウターだと思います。
登山なら高価なゴアテックスのジャケットを選ぶのが良いと思いますが、単独忍びはそう簡単ではありません。
獲物に気づかれずに出来るだけ近づくことが重要なので、衣擦れの音が極力しないような素材の服を選ぶ必要があります。
ここが多分ハンターのこだわりが出てくる部分でして、中で軽い薄手のものを好む方もいれば、熱を逃がすベンチレーション機能が欲しい方もいたりと本当にさまざまです。
だから色々な猟装スタイルのハンターがいるんですね。
アウターの素材や機能、色など、実際に店舗で確かめて、自分が気に入ったアウターを購入した方がよいと思います。
私はモンベルのクリマバリアパーカをアウターとして着ています。
おまけ:ドライインナー
ドライインナーはベースレイヤーの下に着る(肌に直接着る)アンダーウエアです。
メッシュ素材のものが多く、汗をベースレイヤーに素早く移して肌をドライに保ち、汗冷えのリスクを軽減させます。
基本はジオラインなどのベースレイヤーだけでも十分だと思いますが、発汗をよりコントロールしたい場合には導入しても良いと思います。
ハンターの中で大人気な「アミアミ」ことミレーのドライナミックメッシュ、またはファイントラックのドライレイヤーがドライインナーのカテゴリーに入ります。
他にもAmazonなどのネットを見ると上記以外のメッシュタイプのドライインナーも色々と売り出されています。
安いものを探している場合はこれらも選択肢に入ると思います。
私はファイントラックのドライインナーを出猟日の気温によって着たり着ていかなかったりしています。
終わりに
個別(行動量や発汗体質など)にレイヤリングやチョイスする服装は変わると思いますし、状況に応じてウェアを着脱して調節する頻度も変わると思います。
また、猟期の序盤と終盤や、行動する標高が400mと2000mとでは当然レイヤリングは変わってきます。
いかに効率よく汗を逃がし保温性も考えるか。
これさえ着れば大丈夫!という絶対的なものはないので、自分に合ったレイヤリングを見つけましょう。
いろいろ悩んで購入して散財することが趣味あるあるっぽくて良いですよね。
狩猟の世界を存分に楽しんでください!