こんにちは「ぴよ」です。
鮮魚店やスーパーの鮮魚売り場って水族館に匹敵するくらいのアミューズメント施設だと思いませんか?
時間を作っては眺めにいくのですが、これが実に楽しい。
特に刺身や冊が売っているだけでなく、丸魚(魚の姿のまま)が置いてあったり、たまに珍しい魚や部位が置いてあったりするお店だと、とてつもなくテンションが上がります。
ただし当然のことですが、珍しいものは普段なかなかお目にかかれないので、お店に足繫く通うことが必要となってきます。
やはり仕入れによって陳列される魚の種類も変わりますからね。
そんな中、ついに探し求めていたものを見つけたのです。
店員さんを呼び止めて即購入!
買ったのは魚ですが、お目当ては魚ではありません。
そう、魚の口の中に潜むアイツ。
ウオノエ(タイノエ)です!
ウオノエ(タイノエ)とは
等脚目ウオノエ科に属する生物。
陸で例えるならダンゴムシやワラジムシ、海ならフナムシやグソクムシの仲間です。
魚などに獲りつき吸血するいわゆる「寄生虫」。
魚の舌などに寄生して壊死させ、自分がその位置に収まるという迷惑な奴。
でも、そのおかげで口を覗けば発見することができます。
ウオノエも細かく分類すると「タイノエ」「フグノエ」「トビウオノエ」など様々な種がいるようです。
ウオノエ(タイノエ)を観察してみる
ここからはウオノエの接写画像が大量に出てくるので、そういったものが苦手な人はそっと閉じることを推奨します。
タイの口の中から発見したので「タイノエ」でしょうか。
すでに口から顔を覗かせています。
まさに舌。
この状態のおかげで見つけることが出来ました。
店の売り物一つ一つの口の中を開けて確認することは出来ませんからね。
口の中やエラを確認したところ、全部で二匹入っていました。
どうやらつがいのようです。
メス
腹にある灰色の部分は卵かと思ったら全部子どもでした。
海にいたならもうすぐ親から離れて飛び出すくらいの成長具合でしょうか。
黒いポチポチは目です。
何匹いるのかはわかりませんが、相当な数を腹に抱えています。
可愛そうですがシンクの水で子ども達を流してみると、このような大きな殻(膜?)で卵および子供を抱えていたことがわかります。
体の中が薄い膜から透けて見えます。
ぷにゅぷにゅしているので、殻の内部は水分が多そうな感じです。
外側も観察してみます。
横部(頭が右)。
メスはなかなか太い足が並んでいます。
寄生する前はこの足をダンゴムシやフナムシのように動かして移動するのでしょうか。
前部。
中心の丸い部分が顔。
つぶらな瞳でよく見ると可愛い?
後部。
エビのような尾になっているわけではないので、機敏な動きはしなさそうです。
海底をもぞもぞ歩くような構造なんでしょうか。
全体的に節の部分には汚れが目立ちます。
たぶんオス
ものすごく小さい(2㎝弱)ですが、メスと同じく腹の部分が薄い膜で覆われています。
こちらも節などに汚れが付着しています。
大きさ的にやはりメスの方が観察しやすいですね。
ウオノエ(タイノエ)を調理する
茹でてみる
小振りな方(たぶんオス)のウオノエを沸騰したお湯に投入。
そのまま2分ほど茹でます。
特に色が変わることもなく白いまま。
この辺はエビやカニとは異なりますね。
揚げてみる
大きな方(メス)のウオノエを油に入れます。
お腹部分に体内の水分が見えていたので、破裂するんやないかなぁと思いながら、恐る恐る投入。
最初こそ大人しかったですが、案の定大爆発!
油が跳ねまくって写真撮る暇がありませんでした。
危ない危ない。
普通の食材と同じような手順で素揚げにしました。
いざ実食!
茹でウオノエとウオノエの素揚げの完成です。
それではまず、茹でウオノエから食べてみます。
うん。やはり水っぽい。
身を食べているという感じは全くありません。
オスは小さいので殻の硬さは全く気にならないレベル。
なんかシャリシャリするなぁ、っていう程度です。
小さいからなのか、味らしい味はしません。
次は素揚げの方に挑戦。
味の比較をするために一緒に買ってきたアマエビの尾も素揚げにしました。
なかなかなビジュアルと感じる方もいそうですが、エビやシャコも見慣れているから平気なだけで、実はそんなに変わらない気がします。
それでは一口。
ぷにゅぷにゅだった中身どおり、肉がそんなに詰まっているわけではありません。
エビやサワガニの揚げ物と同じでカリカリとした食感。
サワガニよりも殻が厚いので、より噛み応えがあります。
うん、これは1匹では物足りないくらい美味しい。
ですが、香ばしさは正直エビのしっぽの方がある感じです。
あっさりしているので、塩を振るなどの味付けをすると良いかも。
ごちそうさまでした!
まとめ
寄生虫とはいえ、ウオノエは十分美味しいです。
もし買ってきた魚にいたら、捨てずに揚げて食べることをお勧めします。
昔は「鯛之服玉」と呼ばれ、縁起物として扱われていたようですしね。
後は腹に抱えていたチビたちの使い道があればいいんですけどね。
有効利用できそうな方法があれば次回試してみようと思います。
それでは。