こんにちは「ぴよ」です。
このブログの記事を読んでくれている方はアウトドア趣味の方が多いと思います。
皆さんは遊びに行った先でケガをするかも、なんて考えたことはありますか?
楽しみに行くのにマイナスのことなんて考えたくない!
その気持ち、ものすごく良くわかります。
でも、ほんの少しだけ「もしも」のことを考えてみませんか?
なぜ「もしも」を考えるようになったのか
私は銃を使って狩猟を行っています。
それまでは空気銃を使い、里山の池や田畑を中心に車で巡回して鳥猟をしていましたが、2019年から散弾銃を所持し、シカやイノシシも狙うようになりました。
シカ・イノシシ猟(大物猟という)は鳥猟とは違い、登山道から外れた、もしくは登山道のない山の中に入っていきます。
大物猟の場合は大勢で山に入って獲物を追い出してしとめる「巻き狩り」という方法が主流です。
しかし、私の場合は「単独猟」という方法で獲物を狙っています。
つまり、一人で「獲物と遭遇する確率が高い場所(=人と会うことが限りなく少ない場所)」を歩いて獲物を待つ、もしくは追いかけているわけです。
他にも釣りなどのために「単独」で渓流や沢に入ることもありますが、そういった場所はスマホなどの通信エリア外ということが多いんですよね。
誤って滑落しても誰も見ていないし、誰も見つけてくれないし、自分で連絡を取ろうにもスマホの電波が入らない可能性が高い「ソロ」の活動は非常に危険だというのが「もしかしたら・・・」を考え始めた理由です。
知っておかなければならない現実
例えば、自分が登山やら沢登りやら好きなことをしていて、もしかしたら事故にあって死んでしまうかもしれないけど、趣味で死ねるんだったらそれはそれで本望なんだ!
そんな風に考えている人もいるのではないでしょうか。
自分が家族もなく天涯孤独な独り身であれば、このような考え方もアリなのかもしれませんが。
(それでも周囲に十分迷惑をかけるでしょう。)
もしあなたに家族がいるのであれば、知らなかったでは済まされない現実が待っています。
あなたが山中で遭難した場合、「本人」もしくは「家族」が警察や消防等に連絡して捜索や救助を要請することになりますが、必ずしも警察や消防が出動してくれるわけではないのです。
警察や消防のヘリが他の任務にあたっている場合は、民間の救助ヘリに捜索・救助が依頼される可能性がありますし、地上から大勢の民間の捜索隊が投入されるかもしれません。
多くの人が勘違いしていますが、重要なのは民間の捜索・救助組織はボランティアではないということ。
その結果、救助されるまでの日数によっては莫大な費用が請求されることになります。
これは要救助者(あなた)が大ケガでも死亡していても変わりはありません。
幸いあなたが生きていれば支払った分を自分で稼げばいいだけですが、最悪死んでいた場合は、遺族にその費用が突き付けられるのです。
ちなみにヘリ救助の費用は1分間で1万円と言われています。
また、2018年に埼玉県は防災ヘリ(消防ヘリ)に救助された場合でも、遭難者に燃料費を請求できる条例を可決・施行しています。
さらに、最悪山中で死亡していた場合でも、自分の体(この場合は遺体)を見つけてもらわなければ、その間は「行方不明」扱いとなります。
「行方不明」は「死亡」ではないのです。
その結果残された家族には・・・
・生命保険が下りない。
・遺族年金が受け取れない。
・勤めている会社には無断欠勤扱いで解雇され、退職金が支払われない。
・住宅ローンがある場合支払い免除にならない。
可能性があるわけです。
しかもこれが最長7年間(失踪が死亡扱いになるのに7年かかる)続くことになります。
家族を路頭に迷わせるには十分な年月ではないですか?
こんな状況では、あなたが帰ってこないという家族の心配や辛さが、自分達を苦しめているという憎悪へと変わっていくのも、そんなに遅くはない気がします。
私は愛する妻と子どもたちをこんな辛い状況に追い込みたくはありません。
ココヘリというサービスがある
ココヘリ(COCOHELI)とは会員制の捜索ヘリサービス。
会員には発信機型の会員証が貸し出され、遭難した際はその発信機から出る電波を頼りに受信機搭載のヘリコプターが要救助者を探すというものです。
沖縄や離島を除く全国の山域に対応しており、1事案について3フライトまで無料で捜索をしてくれます。
会員数も33000人を突破し、いくつかのスキー場やトレイルランニング大会ではココヘリの導入が義務となっているようです。
つまり、山に入る人にココヘリは必須のアイテムとなりつつあるのです。
入会金3300円と補償に応じて各種プラン(4015円、5500円、9350円)の年会費を払うことでサービスが利用できます。
導入金額は結構リーズナブルだと思います。
ただし注意しなくてはいけないのが、ココヘリは遭難者を捜索して居場所を特定するサービスであって救助をしてくれるわけではないということ。
実際の救助は警察や消防、民間などの山岳救助組織が行います。
ココヘリはあくまでも「遭難者の位置を特定してくれる」ものだと思っていてください。
ココヘリに加入する
妻に相談したところ、年間それぐらいの費用で会員になれるなら入ってと言われました。
実はココヘリの加入に少しは渋ると思っていたのですが、思いのほか即決だったのが意外でした。
だって私の稼ぎは決して多くないですから、余計な出費に良い顔はしないと思っていたんです。
今まで私の野外活動に関して毎回快く送り出してくれてはいたけれど、実は心配させていたんだなぁとちょっと申し訳ない気持ちになりました。
ということで、ココヘリに入会しました。
ココヘリのHPを見ると割引キャンペーンやお得セットが用意されているので、気に入ったもので入会すると良いでしょう。
私はココヘリ+ツェルトセットをチョイス。
前からツェルトは欲しかったのですが後回しになってしまっていたので、この機会に手に入れることができました。
これで最悪の場合でも見つけてもらえる確率が大幅にアップしました。
山岳保険にも必ず入ろう
先にも書きましたが、ココヘリは捜索サービスであって救助はしてくれないということ。
遭難した場合の救助費用も場合によっては膨大な金額になること。
これらのことからも山に入る場合にはきちんと山岳保険に加入するべきです。
山岳保険で調べると、年会費で保険料を支払うものや、山に入る日数だけ保険料を払うものなど、たくさんの種類があります。
また、登山道を歩くだけの場合と、ロープやアイゼンなどを使う登山の場合とでは入る保険が違います。
自分のスタイルに合った保険に入らないと、結局は保険金が支払われないということも考えられるのできちんと調べてから加入することにしましょう。
最後に
ココヘリや山岳保険に加入したからといって山での安全度が増すわけではありません。
あくまで最悪の状態を少しでも減らすための手段として考えましょう。
そして、入山する際は必ず「入山届」を提出するなど、自分がどこで活動しているか身近な人にわかるようにしておきましょう。
ネットで検索すると、遭難して亡くなってしまった人の取材記事や無事に救助されたご本人の手記などが見つかります。
そこから様々な教訓を得ることができると思います。
とはいえ、もしものことばかり考えてアウトドア活動が楽しめないのでは本末転倒です。
何事もなく無事に家に帰る準備をしっかりして、アウトドア活動をおもいっきり楽しみましょう!
ツェルトが常にザックに入っていると心強いですね。